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わらび内科・ペインクリニック

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蕨 謙吾 院長
インタビュー
蕨 謙吾 院長 ワラビ ケンゴ
KENGO WARABI
わらび内科・ペインクリニック
生年月日:1967年10月2日
出身地:東京都
血液型:O型
趣味:音楽鑑賞、酒(ワイン)、息子と遊ぶこと、ゴルフ(修行中)
好きな本・愛読書:自助論(S・スマイルズ)、小説(村上春樹、白石一文)
好きな言葉・座右の銘:Positive & Slow Life
好きな音楽:モダンジャズからJポップまで
好きな場所・観光地:ハワイ
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■副院長が医療の道を志したきっかけをお聞かせ下さい。
祖父と現院長である父が開業医として仕事をしているのを幼少時から見ていたので、自然と医療の道に進みました。幼い頃に祖父と父の背中を見て育ち、二人を尊敬していましたので、強制されたわけではなく、本当に自然な流れでしたね。亀戸の地で80年以上医院を続けてきまして、私で三代目になります。
昨年(2009年6月)までは蕨医院として地元の皆さんの健康維持に努めてきましたが、私が大学病院から戻ってきたのを機会に、私の専門診療科でもある「ペインクリニック」の名前を加えた「わらび内科・ペインクリニック」に名称を変更しました。名称は変わりましたが、今まで以上に地元の皆さんのホームドクターとして診療に取り組んでいこうと思っています。

蕨 謙吾 院長 蕨 謙吾 院長

■麻酔科標榜医について簡単にご説明下さい。また、先生が麻酔科を選ばれた理由を教えて下さい。
「標榜」とは、看板に自分の専門科を掲げるという意味なんですが、麻酔科は数ある診療科目の中でも特殊な科でして、国(厚生労働省)が唯一認定制度を取っている科なんです。つまり、麻酔科だけは国の定める資格を取得しなければ、名乗ること=「標榜」が出来ないんですね。昔は麻酔科医しか使えない薬もありましたし、生命に直結する科でもありましたので、高い専門性が求められたということなんでしょうね。

私が麻酔科を選んだ理由ですが、元々は内科医志望だったんですよ。ですが、大学を卒業して、いざ研修医として入局するという時に、どこの科で専門を学ぶかを迷ったんです。当時はすでに診療科目の専門が細分化されていまして、入局するとそこで専門が決まってしまったんですね。私は出来れば色々な科を見てみたかったので、どうすれば良いかと考えた時に、ふと浮かんだのが麻酔科でした。麻酔科は手術もありますし、赤ちゃんからお年寄りまで幅広く、色々な病気を持った患者さんと接する機会が持てますからね。また、患者さんが目の前で急変した時に何かしら対応してあげることが出来る医者になりたかったというのも理由の一つです。いざという時の呼吸管理、循環管理ができるようになるには、麻酔科の医者がその救急時の対応に精通していると思ったんですね。今でいう総合診療科的な目を養うこと、救急時の対応を学べること、この二点が麻酔科を選んだ大きな理由でした。

■副院長先生のご専門、「ペインクリニック」について簡単にご説明下さい。
蕨 謙吾 院長ペインクリニックとは、一言で言うと「痛みの治療を行う科」のことです。麻酔科医は手術に立ち会い、手術中の患者さんの状態を安全に管理することが大きな役目ですが、もう一つ大きな役目がありまして、それが「術後の痛みをいかに抑えてあげられるか」、なんです。そのために色々な薬を使ったり、神経ブロックという手段をもちいて鎮痛していくんですね。このことから派生し、手術をした患者さんだけでなく、痛みに悩んでいる外来の患者さんにも「麻酔科医の技術を駆使して治療にあたっていこう」、となったのがペインクリニックの起源のひとつなんです。ですから、麻酔科医からペインクリニックにウエイトを移していく医師は結構いるんですよ。

「痛み」とは非常に難しく、整形外科的な筋肉や骨の痛み、神経痛もあれば、内科的な疾患でも痛みを引き起こすことがあります。逆に痛みが内科的な疾患を呼び起こすこともあります。また、現代はストレス社会とも言われているように、自律神経ですとか、精神的なものが原因となる痛みもあります。ペインクリニックとは、そのような「痛み」を知った上で治療していきましょうという科ですね。単独で「ペインクリニック」という科ではありますが、整形外科分野であったり、内科分野であったり、心療科の分野など、色々な科と協力しあっていく必要のある科でもあるんですよ。

■副院長先生のやりがいを教えて下さい。
大学病院に勤務していた頃は、色々な問題を抱えた患者さんの手術や麻酔に携わる日々でしたが、その高度な医療の現場に自分が参加し、手術をなしえているということにやりがいを感じていました。症例数の少ない大変な病気を診て治療し、それが上手くいくこともやりがいの一つでしたね。大学病院という場所は、その役割上、患者さんよりも病気、症例を診る医療といっていいと思います。私は多くの手術に立会い、数々の経験を積む中で、次第に家に帰られた患者さんのことを思うようになりました。
大学病院で手術を終えられ、無事退院された患者さんは家の近くの病院に通われるようになりますが、治療後には対患者の視点で、近くで患者さんを診てあげることの出来る、身近な医者が必要だと感じたんですね。そこで、私自身がやってきたこと、診てきたことを活かして患者さんを診ることが出来ればと、昨年からこちらに戻ってきました。
対病気の生活から対患者の生活になったわけですが、ホームドクターとして、ペインクリニックの医者として、一人一人の患者さんの状態に接して、その状態を感じ取りながらじっくりと向き合う時間が持てるようになったことで、また新たなやりがいを感じています。
苦痛で笑顔のなかった患者さん痛みを取ることが出来、徐々に笑顔を見せてくれた時、精神の状態が安定してきて痛みが緩和していく患者さんと接している時など、本当に嬉しいですね。
病気を診る医療も、患者を診る医療もどちらも必要で大切です。現在はこちらに戻り、患者を診る医者として医療に携わっていますが、双方の医療を経験出来たことは有り難いですね。

■最後に地域の皆様にメッセージをお願いします。
このクリニックは地域に根差して、長い間地域の皆様の健康のためにやってきたクリニックです。根本には地域の皆様への思いが大事な要素として詰まっています。
現在のクリニックの大きな柱は二本ありまして、その一つは身近な何でも相談できるホームドクターとしてのクリニックであること、もう一つは私の専門であるペインクリニックの技術で皆さんの痛みを取ることです。この日本の柱を上手く融合して、治療にあたって行きたいと考えています。
また、これからは町の開業医と大学病院の役割分担が、より明確になると思います。今以上に自分の経験や知識を活かして、大学病院、総合病院と患者さんの橋渡しをして行きたいですね。

※上記記事は2010.10に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

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