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東西文化センター

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ヘスス・マロト 所長
インタビュー
ヘスス・マロト 所長 ヘスス・マロト
Jesus Maroto Lopez-Tello
東西文化センター
生年月日:1936年1月30日
出身地:スペイン(ラ・マンチャ州バルデペーニャス市)
血液型:O型
趣味・特技:サッカー、散歩、読書
好きな本・愛読書:歴史小説、心理学の本、坊っちゃん、ドン・キホーテ
好きな映画:羅生門、三船敏郎、オール・アバウト・マイ・マザー/ペドロ・アルモドバル監督
好きな言葉:スペイン語で「Tu'」、日本語であなた、君の意。親しさの表れでもある言葉だから。
好きな音楽・アーティスト:スペイン音楽、マヌエル・デ・ファリャ、モダン音楽、エル・グレコ(画家)
好きな場所・観光地:山口県山口市(三年間ホームステイした思い出の地です)、わだち会(山口で所属した青年たちの会)
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■マロト先生が日本に来られたきっかけ、日本に興味を持たれた理由をお聞かせ下さい。
イエズス会のメンバーだった私は、もともと日本に興味があったことから、会の目上の方に「日本に興味があるので行かせて下さい」とお願いしたのがきっかけです。
私の当時の思いなんですが、スペイン人は決まり(ルール)を必要としないお国柄があり、自由に動きたい、束縛されるようなことは好みません。ですが、日本人は礼儀正しい、ルールを守る、電車に乗る時も皆並んで順番に乗ると聞いていました。スペイン人だったら、電車が来たらワーッと勝手に乗ります(笑)。全く逆の文化を持つ日本、そこで生活をしている人たちはどんな考えを持っているんだろうと興味を持っていました。また、50年前の日本の奇跡とも言われた、戦後の復興。経済的にも一位になるような力を持つ人たちで、働き者で健康にも気を使う民族という点にも、大変興味を持ちました。ですから、「なぜだろう?どうして、そういう国があるのだろう?」という好奇心で、会の方に日本へ行かせて欲しいとお願いしたんですね(1963年来日)。

ヘスス・マロト 所長 ヘスス・マロト 所長

■東西文化センターをつくられたきっかけと、センターのコンセプトを教えて下さい。
会の目上の方にお願いした結果、日本の皆さんにキリスト教を教える目的で来たのですが、日本の心理学や日本人の考え方を学ぶ中でキリスト教を教える必要はないんじゃないか、と自分で考えたんですね。そこで私が次に考えたのが「文化的な交流」でした。このセンターを作ったのも、その考えが基になっています。一般的に「センター」といえば場所を指すと思いますが、私は言語としての「Center」。つまり中心、真ん中の点ということで、文化交流するところの真ん中、北から南からも線が引かれ、真ん中の点で交わってまた広がっていくという意味で、この場で東洋の人も西洋の人も交流して、その輪が、交流がまた広がって行って欲しいと願って作りました。ですから、語学に限らず、音楽や美術、芸術面の話をするような座談会も開いていたんですよ。
建物の外観はミツバチの巣穴をイメージしています。これは、ミツバチが熱心に働いて蜂蜜を作るように、皆がここに集まって熱心に勉強をしたり、文化を学んだりできるようにと考えました。中に入った時に、ちょっと普通の教室とは違う、「ここには何があるんだろう?」とワクワクしてもらえるような、感動が広がるような内装にしたいと思っていたのですが、入口を入ったらすぐにバルコニーがあって、初めて見た時は「あぁ、これはぴったりだ!」と、私のイメージ通りの内装で嬉しく思いました。

■授業(スペイン語)について、またいらっしゃる生徒さんについてお話し下さい。
ヘスス・マロト 所長最初の10分間は、今までに覚えた言葉を自由に使って話して下さい、と言っています。その間は、間違えていても直しません。何を言っているのかが解からなければ聞き直しますが、何を言っているのかが解かれば単語や発音は直さないんです。自由に会話を楽しんでもらうのがこの時間ですからね。会話を終えると課題に入りますが、間違えていた点はここで少し厳しく直します。会話の内容は特別なことではなくて、毎日何をしていたのか、何を食べたのか、なんて、普段の生活の中でも使える言葉で会話しています。生徒たちは自由会話の時間があると知っているので、あらかじめ聞かれるだろうという話を考えて、自分で準備してきますね。宿題はありませんが、新しい課題はプリントなどで学び、それを次回の授業の会話で出来るようにと勉強してきています。
スペイン語クラスの生徒さんはほとんど大人で、学生は少ないですね。学生は大学で勉強できるから来ないのだと思います。生徒さんは奥様方が多いですが、男の人もいます。男性は仕事の関係(スペイン、南米などと交流する仕事など)が多いですが、女性はスペインについての興味や趣味から学びに来ますね。

■スペイン語クラスの初級から上級、レベルに合わせたクラスがあるようですが?
初級はアルファベットから学びます。本当に初歩の初歩からで大丈夫です。スペイン語のアルファベットは英語と同じようなアルファベットですが、読み方は日本語に近いんです。「あ・い・う・え・お」が、スペイン語では「あ・え・い・お・う」と順番が違いますが、発音は日本語と一緒なんですよ。ですから「B」と「A」だったら「BA(ば)」で、「BA(ば)・BE(べ)・BI(び)・BO(ぼ)・BU(ぶ)」なんです。つまり、変な話ですが、日本人にとってのスペイン語は初めての言語ではないんです。発音が同じせいか、日本語はスペイン語に聞こえるんですよ。私が日本に来たとき、全然日本語が解からなかったのに、「あれ?何かスペイン語喋ってる!」と思ったぐらいにね。英語と違って、日本人にとってのスペイン語は初めてであって、初めてでない言語なんです。ですから、意味が解からなくても、読み方は出来てしまうし、スペイン人には伝わるんですよ。おそらく日本人には馴染みやすい言語だと思いますから、簡単なところから始めてみても面白いと思いますよ。
上級クラスの生徒さんとなると、日本語を使うことはありませんね。授業も、例えばスペイン語の小説を読んで、スペイン語でコメントするとかですね。このグループになると、10年ぐらい勉強していたり、旅行や仕事の関係でスペインに行っていたりという生徒さんです。

■最後にマロト所長から地域の皆様にメッセージをお願い致します。
気楽に入れるセンターです。学ぶ言語についても難しいことを考えずに、音楽が好きなら音楽から、美術、歴史など好きなところから関心を開いていらっしゃれば良いかと思います。スペイン語であれば、読めるところから始められますし、文化的に知りたければ自分の好きなところから始めてみてはいかがでしょうか。皆さんが言語に興味を持って、気軽に、楽しんでレッスンを始められるようにお手伝いします。

※スペイン語を始め、英語(幼児、小学生、中学生、大人一般、シニア)、イタリア語、ドイツ語、フランス語などのレッスンも行っています。お気軽にご相談下さい。

※上記記事は2011.6に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

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